みなさんご存知のように(知らんか)私はかつて宝くじをバンバカ当てまくっておりました。当時の最高金額3億が手元にやってくることに微塵の疑いも抱いておりませんでした。当てることが出来ていたのは、絶対に3億を当てて◯◯するぞ!という強い意思があったからです。
◯◯=ビルを建てる
私はビルを建てたかったのです、ビルを建てるという「夢」があったのです。夢に向かってまっしぐら、カモーン3億!と思っていたのですが。
が。
夢が失われてしまいました。夢を失ってしまったので、3億も必要なくなりました。以前は、宝くじは当てにいくものだ、と思っていましたが、今は当てる気力がないので当たる気がしません。
夢がなくなってしまったのはなぜか。私にとってビルが何を意味するものであるかがわかってしまったからです。
ビル=おうち
※今庄ホテルシリーズをご参照くださいませ
自分が欲しいものが「家」だとわかった時の衝撃よ!そんなもん何が衝撃やねん、とおっしゃるそこのあなた、欲しかったとわかるということは、無かった、ということに気づけることでもあるのです。
自分には家と呼べるものはなかった、と気づいてしまったのです。穴ぼこの存在に気づいたのです。うんざりしました、なんだ、私って家なんか欲しかったんだ、と。家って入れ物だけではありません、家を構成するのは家族です。
私は家族が欲しかったのでしょう。もとい、欲しくありません(どっちやねん。
昭和の頃はひとりっこって肩身が狭かったのですよ。ひとりっこは我儘だ、とか、ひとりっこで寂しいでしょ、とかよく言われました。寂しいもなんも、兄弟姉妹がいるということを体験していないので寂しいもへったくれもありません。持っていたものを失ったならそれは寂しいでしょうけれど、もともとないから寂しいという感覚もないのです。
寂しさを感じるのは、ヨソを見てわかること。ヨソんちはお兄ちゃんがいていいな、妹がいていいな、とかって。他者との比較によってこそわかる自分の立ち位置ってありますよね。
淀川長治のようなホテル暮らしが憧れでした。家を持ちたいと思ったことないのです。食事も3食外食ってのに憧れてました。家族の団欒、それ何?食べるもの?おいしいの?状態です。
食に対する素養に乏しいことがコンプレックスでしたが、それは卓袱台返しがデフォルトだったせいです。食卓とは私にとって、一刻も早くその場を立ち去るべき場所だったので。安心して食べることを楽しめる場ではありませんでした。
本がないと食べられないのは母のせい(参考エントリー:本がないと食べられない)、お酒がないと食べられないのは、お酒のおかげで食べることに多少なりとも気持ちが向いたせいでしょう。「せい」と「おかげ」が同居してるってのもおかしな話ですが。
私には食にまつわる困った癖がもうひとつありまして、いったん家を出たらどっかで食べて帰らないと気が済まないのです。食べるといってもお酒がないと食べられない人ですから当然飲むわけですが、これは単にお酒にだらしないからかなと思ってたんですけど、急いで帰宅しないといけない時にも寸暇を惜しんで、あ、15分ある、一杯飲める、って感じで、これはさすがにおかしいと思ったのですよ。家に帰るのが嫌なのか?家で食べるのが嫌なのか?
ここまで考えたら気づけました、私ってばいまだに食卓が怖いのですよ。卓袱台返しの恐怖が蘇るのです。
外食や来客が平気なのは、そこに卓袱台返しは発生しないから。
飲食のサービスをしたかった理由も納得です。人は自分が欲しかったものを他者に与えることによってそれを得ることができるのです。私は自分が得られなかった安らげる食卓、食事ってのを提供することをしたかったのですね。
卓袱台返し真っ最中の時期は、団欒な食卓なんか知らないですから欲しいとも思いません。よそんちのお食事におよばれしたら、その団欒がホームドラマみたいで気持ち悪い、って思いましたもの。
やっぱお酒を飲めるようになって、食べることをちょっとでも楽しめるようになったからですね、食べるって本来は楽しいことなんだ、と気づけたのは。でも、それが自分の家の食卓で再現されるとは思っていない。だって家の食卓ってのは卓袱台返しの場だから。
料理に熱心になれない理由も腑に落ちました。all because of 卓袱台返し。
さあ、この穴ぼこはどうやったら埋まるのかな。
小さい頃のことなんて、とおっしゃる方が多いですが、55歳になっても「小さい頃」のことに縛られています。記憶には残っているのでそれがダメージになっている、ということは頭ではわかっているのですが、そうか、そうだったのか、と腑に落ちる感じ、これがやってこないと穴ぼこは埋まらないですね。
参考エントリー:腑に落ちるってこんな感じ
ヨシヨシができるのは、腑に落とすことができてから、です。
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