アメブロに一生懸命だった黒過去の頃、ビジネスセミナー的なものにもちょこちょこ顔だしてました。まー、いずれも「自分には必要ない」とわかるためだけの参加だったようなものですが。その中のひとつに、「金かえせ」とその場で口にしそうになったものがありまして、主催者の方はビジネス書のレビューのメルマガがメインの活動のようで、広告代理店の営業からセミナー講師を始めてなんかしらんがあっという間に株式のコンサル会社まで設立してしまったのでした。セミナー会場は彼に憧れる若い学生でいっぱいでしたね。たしかに成り上がり物語としてわかりやすかったのでしょう。この程度の内容のセミナーでも通用する、という点で「僕にもできるかも」という幻想を抱かせることができてね。
ビジネス書の類ってほんと目新しいことってなくて、どこかで見聞きしたような内容ばかりです。それがフィットするかどうかはほんま、何が、ではなくて、誰からか、そしてタイミングの問題なのでしょうね。ビジネス書の著者がそのメソッドで成功した時と本が発行される時ではタイムラグがあるから、そのやり方が通用するはずもなし、という意見があるのもやむなしです。ベースとなるもの、基本原則ってのは遠い昔に先人が作り上げているのです。オリジナルにたどり着くことが出来ない人のために手変え品変えいかにも自分の作り出したもののように再生産されているのがビジネス書の世界でしょうね。
えっと、何の話がしたいんだっけ。
ビジネス書のレビューのメルマガを何年も購読してます(なんだよ、それ。
「ビジネスブックマラソン」メルマガの役割は終わった的な意見もありますが、やっぱ便利なんですよね、メルマガ。届いた時に開いたらいいから。
ビジネス書がメインなのでそうそそられる本の紹介があるわけじゃないのですが、たまーに掘り出し物があるので止められません。ここのレビューを読んで、本の紹介をする際に目次をあげるってのはありなんだな。以前より、本を紹介する際にはビジネスブックマラソンっぽく書けたらいいな、と思ってました。なので、今回はビジネスブックマラソンっぽく書きます(長すぎる前振りだった)。
『母からの解放〜娘たちの声は届くか』信田さよ子
母娘ものの権威、信田さよ子さんの最新刊です。発売は集英社なのに発行はホーム社、ちょっとひっかかります。ホーム社って改めてググってみたら集英社の子会社なんですね。出版ラインナップを見たら、なんかセカンドラインっぽいです。
毒親という言葉もすっかりポピュラーになりましたが、毒親といわゆる虐待親との違い、それは当事者以外には何をされてるかがわかりにくいことです。傍目にはいいおかあさんにしか見えない母親が、実に手の込んだやり方で娘にダメージを食らわせる。
コネクトロンのセッションでも多いケースですが、ほんま虐待されてるほうが立ち直りやすいんですよ。それは、怒りの矛先を定めやすいし、自分がどんなダメージを食らっているかということがはっきりとわかるから。
参考エントリー:虐待を受けることだけが傷つくことではない
実際に暴力をふるわれることだけが親からの加害ではないのだ、傷つけられた、と声をあげていいだ、という救いを与えたことは信田さよ子さんがなされた最大の功績ですね。まー、ACという言葉が一般的になった当初も、なにをそんなことでいちいち傷ついた傷ついたってうるさいんじゃ的な文句を言う層はありましたが。
信田さよ子さんの母娘ものの集大成であるかのように感じました。提示されているのは母親とのさよならの仕方。それは母の呪縛から解放されて本当の自分を取り戻すための手段。とりたてて特別なことではありませんが、それすらも出来ない方が多いということですね。第3者からしたら「〜したらええやん」、もしくは逆に「そんなん、せんでええやん」と気軽に言ってしまえることですが、それが出来れば警察いらんやん、なんですよねー。
したらいいとわかっていながら出来ないこと、出来ないには理由があります。出来ないことを出来るようにするためには必要なプロセスがあります。
それがダメージのほどをちゃんと認めること、それによって不本意な過ごし方をさせられてしまった過去の損失の大きさを認めること。被った不利益は決して自分のせいではない、と認めること。そして、ダメージを食らっていなかたったら、本当の自分のリソースを発揮できていたならどんな素晴らしい人生であったか、もちろんそれを取り戻すのは今からでも遅くない、と気づいていただくこと。
コネクトロンのセッションでは上記のプロセスを体験していただくことを目指しています。
母親からの攻撃で、これこそが当事者にしかわからないと思えるのがマウント。マウントという言葉も一般的になりましたが、母親が娘に対してマウントする際、どのような手を使うか、それはdisる、ですよ。ジョイキラーなおかあさんなんて典型的なマウントやってるってことですものね。相手を貶めて自分をあげる、です。
なぜ母はそうしてしまうのか。だって自分が上に立てる相手って娘しかいないから。貶められてきた痛みがあるから。
なぜ親子の問題は母と娘ばっかりで、父と息子は少ないのか。それは男と女、という社会的、大げさにいえば人類的なシステムの歪みゆえです。
目次
第1章:私はあなたの犠牲になりたくない
・母親の存在がなぜ子どもを苦しめるのか
・愛情が「毒」になるとき
・娘と競う母、娘に嫉妬する母
・母親とは「不完全な女」である
・恨みと呪いを身にまといながら
第2章:娘の苦しみを理解できますか
・娘のことは私がいちばんわかっているという自信
・ある日突然気づく母親との関係
・なぜ「ヘンな母親」が増えたのか
・サザエさんがうらやましい
・長くなる「娘」の時間
・親と子はどうやって離れるのか
・記念日症候群
・娘にとって父親とは
第3章:基準はいま自分が幸せかどうか
・世界の中心に「私」がいる
・母親を憎む私はヘンですか
・娘の立場から定義する
・母親の巧妙な支配
・子どもを産むのがこわい
第4章:母の呪縛からどう逃げ出すか
・自分を責める母親、無関心の母親
・母親は変わるのか
・「母」への批判を封じる日本の社会
・疑問符をつける五回のタイミング
・夫を味方につける
・母親の行動と自分が受けた影響を書き出してみる
第5章:自分の人生を生きるために
・母親との距離感
・期待を捨てれば距離がとれる
・距離をとる具体的な方法
・母親と友達になれますか
おわりに
「母」とは孤独なものである
この本でも取り上げられていました。
私には味方にできる夫はいませんでしたが、チビが代わりにそれをやってくれました。
参考エントリー:捨てました、母を(愛情乞食シリーズ)
おっと、もう4年も前のことかー。これ以来、母とは会っていません。生きてるか死んでるかもわかりません。
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目次を書いたってだけで、ちっともビジネスブックマラソンっぽくならなかったですー。読書メーターを見てても思うんですが、みんななんでそんなにいっぱい本を読めるの?速読とかフォトリーディングとかやってるの?どちらも挫折してしまった私ですよー。プロの編集者ってのはフォトリーディングは必須だそうで、やっぱ量をこなすってことは必要なんですよね。私もあまり丁寧に本を読む方ではなくて、ざーっとさらえた中で必要なものは頭のどっかに残ってるだろ、と思いながら読んでます。付箋つけたりメモしたりしたほうが残らないんですよねー。とにかく放り込んどけ、とインプットしたものが飽和状態になったとき、必要な時にまとまって形になるという感じです。
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今日は「心の相談日@漢医堂」です。
14時〜20時(最終受付19:45)
1件15〜30分で1000円です。
ご予約不要、そのかわりお待ちいただくこともあります。
ちょこっとしたご相談、セッション後の経過報告などにご利用くださいませ。
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アキヤマ (土曜日, 10 9月 2016 23:01)
私にとって必要な本を紹介していただけた、この記事も感謝です。
ありがとうございます!
いまぷ (日曜日, 11 9月 2016 05:06)
お役にたててなによりですー