【書籍】欲望の仕掛け人/中村うさぎ

こんにちは、夏バテバテ子な 悩みの探偵:いまぷ です。

ノストラダムス世代なので、酷暑が訪れるたびに「恐怖の大王」が降ってくるのは今年に違いない!と思います。大王さま、ひと思いに焼き殺してください!!即死キボン!!!!

自己実現とか自己啓発っていうけど、それが何か説明できますか?すいません、私はできませんでした(恥)。まー、Facebookに集う「意識高い」系の方々が好むワードですよね。

 

 「意識高い」系の方々の現実と盛りに盛られたFacebook上の姿の乖離っぷりに、ああ、みんなリアルな自分がそんなに嫌なのか、持った姿でないと人前に出ることができないのか、と最近は思うようになっております。

 

リアル=いや、受け入れたくない自分

 

Facebook=いやでない自分、なりたい自分

 

そういうことを(どういう?)実に的確に記した本がこちら。

「欲望の仕掛け人」中村うさぎ 

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21世紀ニッポン資本主義社会の「勝ち組13人」に、欲望のドレイ・うさぎが聞く!と帯にありますが、取り上げられている13人の勝ち組社長さんたち(敬称略)

 

01:ドン・キホーテ社長 安田隆夫

02:パークハイアット東京総支配人 マルコム・トンプソン

03:タカナシクリニック院長 高梨真教

04:吉本興業社長 林裕章

05:バルス社長 高島郁夫

06:海洋堂社長 宮脇修

07:グローバルダイニング社長 長谷川耕造

08:ボビイブラウンプロフェッショナルコスメティックス事業本部長 中根孝

09:ナルミヤ・インターナショナル社長 成宮雄三

10:アメリカンホーム保険会社会長兼CEO 上田昌孝

11:ピーチ・ジョン社長 野口美佳

12:福臨門酒家東京地区総支配人 野坂裕彦

13:銀花女将 三宅美佐子

 

上記の会社、全部しってます?恥ずかしながら、知らない会社がひとつありました。5番の「バルス」。ここってフランフランを経営してるとこなんですねー。フランフランならもちろん知ってます。私の家にもフランフランの雑貨がいくつか存在していた時期がありました(今はない)。13のパートの中で、フランフランの社長さんと銀花の女将さんの項がおもしろくてですね。

高島郁夫:

そうです。付加価値ですね。中村さんのシャネルのバッグと一緒です。実用品としてシャネルのバッグを買ってるワケじゃないでしょう?シャネルというブランドの付加価値に大金を払ってるワケですよね?

中村うさぎ:

そうだよ、そのとおりだよ。ただのバッグに10万20万の金なんか払うもんか。私はその金で、「おシャネルな気分」を買っているのよ。ああ、そうさ。

となると、アレか。値段や商品構成はまったく違うが、「フランフラン」も「シャネル」も、実際に客に売っているのは同じもの。実用でお必要でもない「気分」という名の付加価値……言うなれば「シャネルのバッグを持つゴージャスな私」「フランフランの雑貨で部屋を飾るお洒落な私」という、それぞれの「私」を売っている、と、こういうワケか。

なるほど。じゃあ、「フランフラン」が売っているのは、女の子ひとりひとりの「ステキな自分」なんですね。

高島:

そうそう。物じゃないんです。雑貨そのものよりも、それを買う私がステキ、カワイイ、といった気分。みんな、「なりたい自分」を買っていくワケですよ。要するに自己実現ですね。

中村:

出た、自己実現。やはり、それですか。行き着くところは、それですか。いや、反論の余地はない。現代人がもっとも欲しがっているもの……それは「自己実現」という名の「ナルシシズムの補完」であるということを、この中村、身をもって実感してきたからである。

いやー、すっきりした。自己実現ってそういうことか。なりたい自分になる、ということが自己実現か。

 

そして、他の社長さんの項でも頻繁に出てきたのが「居場所」という言葉。居場所を得ることができる、と満足させられるものを提供できればそれがヒットする。その居場所というのが、なりたい自分を実現できる場所、のようです。こうありたい、という自分を実現できる場所です。

 

さ、すると当然ここで問題がひとつ発生するわけです。

 

あなたのなりたい自分ってそれほんとに必要なの?

 

それ、ほんとにあなたを幸せにしてくれるの?

 

参考エントリー:夢を掴みに行く前にやっておきたいこと

 

啓発した自己を実現することを目標とする方々が「意識高い系」と揶揄されていますが、なんで自己啓発な自己実現を訴える方々に「痛い」感が伴うかというと、それが必要ないもの、そぐわないもの、身の丈にあってないことが多いからではないでしょうか。自分でみつけた、本当に必要な「なりたい自分」ではなくて、世間受けなどを気にして設定されたなるべき自分。ほんとの自分がそこには不在です。

 

自分がない自己実現ってなによ、そういう違和感を感じさせられてしまうから「痛い」感を醸し出してしまうのではないでしょうか。

 

どこかで聞いたような借り物の言葉の羅列。仲良しごっこ。ひとりでやるのは不安だから群れる。

 

いかん、いかん、脱線しそうだ。

 

いけてる私の演出用小物でいいんだから、本物じゃなくていいんです。なんちゃって、でいいんです。さ、ここで永久保存版の私の(ない)胸をゆさぶったツイートをまたあげておくとしますかね。

薄っぺらいのはなんでかというと、ほんとに強いんじゃなくて強くなりたい弱い人だから。自分の弱さを認めようとしない人だから。と、思う。そして、借り物の言葉だから。

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